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ユマニチュードとの出会い。

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昨日からの続きとなります。

グループホームに次の施設が見つからないと言うと精神科の病院を紹介されました。

精神科と聞き始めは戸惑いました。

精神を病んでいるのと認知症は違う気がするが、とりあえず受け入れてくれたのです。

そこは大きな病院で部屋もオープンでフロアー全体が開放されていました。

重い患者さんは個室に入っていて、出歩かない方もいらっしゃいました。

母はこの頃は元気でフロアーをあちこち歩き回っていました。

しかし精神科は異様な雰囲気がありました。

大きな声で「おかあ〜さん、おかあ〜さん」と叫び続けている人、柱に抱きついている人など私はこの異様な光景に驚き、戸惑いました。

オープンなフロアーですが、出入り口はきちんと管理されていて係の方の承諾なしでは出入り出来ません。

ここで過ごす事に不安を感じましたが、母は広いフロアー内を自由に歩ける事が良かったのか、回りの事をそんなに気にかけてるようには見えませんでした

しばらくたってから職員の方が最近ここでは「ユマニチュード」という方法を取り入れていて、母にもその方法で接してみたいと言われました。

ユマニチュード

始めて聞く言葉でした。

フランスで始まったようで、日本でも取り入れていて成果が出ているとの事でした。

内容は

  • 患者さんと話す時は同じ目線で必ず目を合わせて話す。
  • そして身体に触れながら話しかける。

一見、当たり前の事のようですが、なかなか余裕がないと出来ません。

一人に向き合い、じっくり話しを聞いてあげる。

認知症なので同じ話しも何回もします。それでも向き合い話しを聞き、手や肩に触れながら寄り添います。

さすがに全員に同じ扱いは出来ないし、取り入れたばかりなので3人程やっていますとの事その中に母も選んで頂いたのです。

 

ユマニチュードを取り入れてから、明らかに母にも変化が現れました。

気性の激しい母が穏やかな顔になり、安心しているのがわかりました。

よく笑い、落ち着き優しくなってきました。

しっかり向き合い、触れ合う事の大切さがわかりました。

ここの病院に来て、ユマニチュードと出合った事はとても良かったと思いました。

ユマニチュードを取り入れると認知症の進行も抑えられるのではないでしょうか。前のグループホームとかは、やはり人手が足りなく、職員はやるべき事をしないといけません。途中で手のかかるような事をされると、つい邪険に扱ったりします。

すると患者さんもわかるんですよね。

 

本当にここでよくなったのですが、病院なので3ヶ月しか居られないのです。

また、次を探さなくてはいけません。

少し離れた所のグループホームを紹介して頂きました。

でもやはりよく歩き回る母は、他の人の部屋に入ったり、夜中に歩き転倒し、入院したりしました。それから脳梗塞起こしたり、病院も出たり入ったりでした。

最後は特別養護老人ホームに落ち着きましたが、その頃は歩く事は出来なくなっていました。

あちこち歩き面倒を起こす頃、歩けなかったらいいのにと思った事もありました。

これで良かったのかわかりません。

ただ一つ言える事は、ユマニチュードは良かったです!

 

介護されている方本当に偉いですよ。

無理せず、自分を犠牲にせず、頼れる所は頼り、息抜きしながらですね。

最後までおつきあい有難うございました。

 

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