随分前に古書展で見つけた本だった。
読まずに本棚に置いていた。
雨の日やる事もなく、手を伸ばし読み始めた。
私の好きな作家「放浪記」を書いた林芙美子さんの真実を求め、現地に足を運び、林芙美子さんを知る人達から話を聞き出している。
かなり詳しく、気になった所もとことん調べている。
著者の竹本さんは高校の歴史の先生だった方です。
没後なので推察になる所もあるけれど。
踏み込んで調べもせずに書いている伝記作家さん達の無責任な空想を打ち砕こうと、努力した結果が現れています。
なかでも林芙美子さんと実父との関係性について詳しく書かれていました。
林さんは私生児です。
実父と母親キクさんは14歳差の姉さん女房。
実父は行商人で、母娘を捨てたと私も誤解していました。
この本を書いた竹本さんは、実父の生家に行き調べています。
立派なお宅で商売をしていて、長男だった麻太郎さんの結婚に母親が反対していた事。
そして娘の芙美子さんは娘として育てたかったが、母親の方についていった事など。
丁稚の沢井さんと駆け落ち同然で母娘は追い出されたと思っていました。
ところが実際はそうではなく、実父は出ていく時もかなりのお金を渡し援助していたらしい。
放浪記は貧しく、孤独で悲しい女の物語。
日記といえどもやはり創作して書いている。
明るく、はっちゃけた女の子だったようだ。
そして実父を慕っていた。
書いていったらキリがないのですが、林芙美子の人間性がよく分かります。
そしてここまで実父の宮田麻太郎の事を詳しく書いた本はないでしょう。
より林芙美子を知る事が出来ました。
