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太陽の棘 レビュー

太陽の棘 原田マハ

 

本から遠ざかっていた一ヶ月、久しぶりに本と向き合い感動しました。

以前読んだ旅屋おかえりに涙したので、旅好きな私は原田マハさんの著書を手にとりました。

旅屋おかえりとは全く違う内容でした。

この方は絵画に詳しい方なんですよね。

今日たまたま見ていた日曜美術館原田マハさんが出ていて、マティスの絵を解説していました。

初めて見る原田マハさんは知的で素敵な方でした。

 

「太陽の棘」は終戦後沖縄に精神科医として派遣されたエドと、沖縄のニシムイの画家タイラとその仲間や家族との交流や友情を描いた物語でした。

アメリカ視線で書かれている小説だったのでなぜ?と原田さんに疑問を抱きました。

戦争で精神がおかしくなった米兵達の心情とかよく書けるなと思っていたら、ノンフィクションでした。

最後に謝辞を読みスタインバーグ博士から伝え聞いた事を元に書いているとわかりました。

実在する人達だったのです。

本の表紙と裏表紙はタイラが描いたスタインバーグ博士と自身の自画像だったのです。

戦後の沖縄と駐留米軍の事など違う視点から見る事で、新たな発見がありました。

そして絵を通じて生まれた友情に涙しました。

なかなかいい作品でした。