本と旅と映画

のんびり気ままに…

ザリガニの鳴くところ レビュー

ザリガニの鳴くところ ディーリア.オーエンズ著 友廣純訳

 

ベストセラーになり昨年映画化された物語です。

気になっていたので読んでみました。

湿地帯で一人暮らしていかなければならなくなった7歳の少女カイアの物語です。

魚や貝をとりお金に変え食料や燃料を買い、畑で野菜を育てたりしてなんとか生き延びていく。

村から離れた所で人と関わる事もほとんどない生活。

そんな中兄の友人だったテイトから文字や数字を教えてもらい、本を読めるようになり世界が広がっていきます。

湿地帯の虫や鳥や貝や植物の事ならなんでも知っているカイア。

カイアが恋をして女性として成長していく姿とともにいつも寂しさを感じている姿。

作者は動物学者のようで昆虫や動物の営みなどとても詳しく色々な事が書かれていました。

例えばメスのホタルは偽りの信号送って別種の雄を誘い、彼を食べてしまう。

カマキリのメスはじぶんの後尾の相手をむさぼり食う。

昆虫のメスたちは恋の相手とどう付き合うべきか心得ている。

なんか恐ろしいですね。

この小説はミステリー小説でもあります。

チェイスという青年が亡くなってしまうのですが、犯人は誰なのか?と思いながら先へと読み進めて、貝殻のネックレスの行方が気になりました。

村の人達のカイアに対する偏見など色々な事が組み合わさり、厚みのある内容だと思いました。

読み始めは挫折しそうになりましたが、最後まで読み終え面白かったです。

ベストセラーになるのも納得しました。

映画もいつか見てみようと思います。