本と旅と映画

のんびり気ままに…

ボトルネックレビュー 米澤穂信著

不思議な物語でした。舞台は石川県金沢そして東尋坊

嵯峨野リョウは東尋坊から落ちて亡くなった恋人諏訪ノゾミを弔うために、白い花を崖から投げ込んだ。

そして何かに誘われるよう断崖から落ちた。

しかし、気がつくと金沢市のベンチにいた。

不思議に思いながら家に帰ると、そこには生まれてこなかったはずの姉がいた。

姉のツユはお腹の中で死んでしまい、水子地蔵もある。

ところが姉はサキと名乗り、弟の存在など知らずこの家で普通に暮らしていた。

家の中を見回すと以前と微妙に違う所がある。

嵯峨野ツユが生まれた世界と生まれなかった世界が交わっていたのである。

外の世界も変わっていた。諏訪ノゾミも兄も死んでいなかった。

サキは自分に持っていない物を持っていて、自分がいた世界よりいい世界になっていた。

サキと行動を共にしながらリヨウは気付く。

自分よりサキが生まれるべきだったと。やはりショックだよね。

最後は自分の世界に戻されるのだが、サキと比べてしまう人生に罰を感じる。

真っ暗な海と、曲がりくねった道どちらを選ぶのか?

ラストは書かれていないが、やり直して生きて欲しいと思った。

じゃないと救われないよ~。