本と旅と映画

のんびり気ままに…

哀しい予感レビュー 吉本ばなな著

今まで読んだばななさんの本の中でこの本が一番好きかも。

と言ってもまだ7冊しか読んでいないけど。

哀しい予感と題名から連想する話しとは違い、いい話しでした。

古い一軒家に住んでいる音楽教師のおばゆきの。30代一人暮らし。

ほおっておくと、一日中、爪を切ったり、枝毛を切ったりしてごろごろしている。

食べたい時に食べ、眠い時に寝る。自分の部屋と台所以外は何年も掃除していない。

この家に家出してやってくる姪の弥生。

弥生は優しい父と母、弟の哲夫と暮らしている。

とても明るくる素敵な家族なのだが、何かが欠けていると感じている。

弥生は嫌な事があるとおばの家に転がり込む。

ネタバレになりますが、実はおばではなく実の姉だったのです。

最後は行きたかった場所に二人で辿り着きます。

哲夫もとてもいい奴です。

最後に本より抜粋

人が人を気にかけるエネルギーは何と強くてしつこくて、消えないのだろう。

たとえなりをひそめていても、永久のように、決まりきったことのように、胸のうちに降り積もって出番を待つ。