この本は史実を元にした小説でした。
表紙の写真の女性はアメリア.イヤハート世界で初めて女性で世界一周に挑戦した人である。
数々の航空ショーを渡り歩き、北アメリカ横断無着陸飛行、大西洋横断単独飛行など成功したベテランパイロットが世界一周に挑戦する話しが前半に書かれていました。
時は1937年(昭和12年)小説の中ではエイミーという名前になっています。
世界一周に挑戦したのですが、最終段階で太平洋上で行方不明になってしまったのです。
小説の中ではアメリカのスパイとして利用されたと知り、自ら飛行ルートを変えて海の中に飲み込まれてしまいます。
ラストメッセージ「世界はひとつ」を残して。
後半の話しは日本で初めて世界一周を成功させた人達の話しでした。
時は1939年(昭和14年)8月26日。
飛行機は最新最鋭の純国産機。三菱重工の九六陸攻、設計者は三菱重工の本庄季郎。
戦争前のきな臭い世の中で、純粋に世界一周という夢を果たす為に作られた8人乗りの飛行機。
空力的に優れ、胴体は細く、徹底的に流線化し世にも美しいフォルムが実現。
美しさと強さを兼ね備えた、飛行機が完成したのです。
そして8人の乗組員が、困難な事を乗り越え無事世界一周をやり遂げた事が書かれています。
私が読後感じた事は、飛行機に携わる日本の技術者達の水準は高い物だったのでしょう。
ところが戦後飛行機の製造は出来なくなってしまう。
戦う為に作られていく飛行機、そして敗戦となってしまう。
いい物を作る気持ちが戦争により変わってしまった。技術者達の無念さが伝わりました。
戦前世界一周を成し遂げた事もGHQにより意図的に葬られてしまった。
闇に葬られた史実をこの小説により、知る事が出来、改めて日本人の技術力の凄さを感じました。
原田さん有難うございました。
真面目な感想になっちゃいました。