畑へ行く小道にあるスズメバチの巣活動が活発になってきたのか飛び回っているスズメバチを見ました。
これはやばいな。
早めに駆除してもらおうととこの土地を管理しているHさん宅へ伺った。
Hさんは70代のおじさんです。
Hさんは管理しているだけで地主さんは横浜に住んでいる言う。
「駆除のお金は誰が払うんだ」とか「鹿児島には専門業者はいないだろう」
とおっしゃる。
私はネットで調べていたので鹿児島にもあるのは知っていました。
鹿児島にもあるのでいくらくらいするのか電話で聞いてみますねと言って業者に電話しました。
業者さんは現場に行って見てみないと正確な価格は言えないと言う。
見積りは無料だし、価格が合わなかったら断わってもいいとの事。
その事をHさんに伝え、翌日の9時に業者さんと現場で会う約束をしました。
するとHさん今から駆除しに行くと言うではないか。
槍のような長い棒と殺虫剤を手に車に乗り込みました。
私がプロにまかせた方がいいですよ!素人がしたら危ないからダメですよ!と止めるがHさんは聞きません。
そして私に車の助手席に乗れと言います。
仕方なくとりあえず乗りました。
すると車で巣の近くまで近づいていきます。
運転席の窓のすぐそばに巣が見えます。
えっーやばいでしょ。刺激したらダメでしょ。
私は叫びました。
「バックして下さい。ダメですよ〜」「バック、バックーー」と何回もわめきました。
窓閉めてるから大丈夫だからと言う。何してんだよ…このおじさん。
私はほぼパニック状態です。
私の様子を見て楽しんでいるのか?
私と一緒に駆除するつもりだったのか?とりあえず早くここ離れて〜
すると今度は近くの葬祭場に車で乗り込んで行った。
死んだら葬式もここですればいいなんて言っている。
顔馴染みの方がいるようです。
そちらの男性にスズメバチの駆除を一緒にしようと声かけします。
男性も巣があるのは気づいていました。
そして今度は二人で車に乗り込みました。
私は二人に再三危ないから止めて下さいとお願いしました。
こんな蚊をやっつける殺虫剤でスズメバチを撃退できる訳ないだろう。
おまけにおじさんは半袖シャツという軽装。腕も顔もむき出しだ。
葬祭場の男性は黒いジャンパー姿である。せめて白い服にしてよ。
もう何を考えているんだ。
明日業者が見積もりにくるからそれからでいいだろう。
おじさんは何が何でも今日駆除すると言う。
私は刺されても知りませんよと二人に言った。
その時は病院へ行けばいいだけよとおじさんは言う。
おじさんはまた蜂の巣のすぐそばに車を止めた。
そして窓を開けて殺虫剤を噴射している。なんてことを。
蚊を殺す殺虫剤でスズメバチを殺せるのか。
もう知らないぞー無謀な二人を遠くから見ていた。
夫にも状況を電話で知らせた。するとほっとけばいいと言う。
いくら言っても聞かない。私は巣と格闘している二人を横目に遠回りして畑に向かった。
畑についてからもスズメバチが飛んでこないか心配でキョロキョロしながら、ゴーヤやピーマンを収穫しました。
ちょっと先では巣をやっつけている。気になって仕方ない。
収穫終えて二人の所へ戻ってみました。
車は止まったままだが、二人の姿は見えない。
もしかして刺されて病院でも行ったのか?
どこに行ったのか?心配です。
辺りを探していたらおじさんが畑の方から巣の近くに歩いてきました。
多分私を探しに行ったのでしょうが、私は遠回りして行ったので会わなかったのです。
おじさんは何か言いながら両手で頭の上で○を作っています。
なんのこっちゃ?やっつけたのか?
話しを聞きたかったが、巣の近くでまた殺虫剤を振り回し始めた。
私は近寄りたくありません。
それよりさっきの葬祭場のお兄さんはどこかな?見回すと葬祭場の前に白シャツ姿で立っていました。
私は葬祭場のお兄さんに話しを聞こうと葬祭場へ向かいました。
お兄さんの話しによると殺虫剤を振りかけたら弱ったので、巣をたたき落とし車でふんちびったのでもう大丈夫ですよと言う。
スズメバチが沢山いたでしょと聞くと20匹位はいましたねと言う。
巣が割と小さかったので駆除出来ると判断したとの事でした。
刺されなくて本当によかったよ。
おばさんはとても心配しましたよ。
いくら小さいといってもプロにまかせましょう。
それから業者さんにはキャンセルの電話をしました。
やれやれ巣はやっつけてもらったが、無謀な二人にヒヤヒヤドキドキした日でした。
おじさんはまだ生き残っているスズメバチにむき出しの腕で噴射しています。
怖いもの知らずというのか、鹿児島弁でいうぼっけもんです。
壊され車で踏み潰されたスズメバチの巣です。
最後までおつきあい有難うございました。
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